NHK受信料の取り立てがしつこいと渋々払ってしまう人も多いですが、
あまりにもしつこい場合には警察に対応してもらうこともできます。
ではNHK受信料取り立てがしつこいからで警察を呼んだ結果どうなるのか
などについて詳しく見ていきましょう。
しつこいNHK受信料取り立てに警察を呼んだ結果
NHK受信料の取り立てで集金人が自宅にしつこく来るので警察を呼ぶと
・警察が来る前に集金人が逃げる
・警察が集金人の対応をしてくれる
・集金人が警察に連行される
などといった結果になります。
詳しくは後述しますが、集金人は越権行為であることを自覚しながら
NHK受信料を取り立てているケースが少なからずあります。
最悪の場合連行されることも分かっているので、
警察を呼ばれると警察が駆けつける前に逃げ帰るパターンが多いです。
逃げられた場合は、駆けつけてくれた警察官にNHKの集金人が来て
受信料をしつこく取り立てられたことを説明しましょう。
警察は基本的に「民事不介入」ですから、
通報者がNHKに対して受信料を払わないことを警察が注意したり責めたりはしません。
一度警察に通報するとNHK側には「厄介な利用者」と認識されるので、
集金人が受信料を取り立てに来ることが少なくなります。
警察がNHKの集金人の対応をしてくれる
警察を呼んだことを伝えても集金人が逃げない場合は、
駆けつけた警察官が集金人の対応をしてくれます。
集金人は「払わない」という利用者から受信料を強引に取り立てることはできないため、
しつこつ催促する集金人を警察が注意してくれるのです。
警察が来るまで逃げなくても、
警察が来て注意されると集金人は素直に帰っていくパターンが多いです。
集金人が警察に連行される
かなりのレアケースですが、
しつこく受信料を取り立てる集金人が警察に連行されることもあります。
「TVが無いからNHK受信料を払わない」と言うと、
中には勝手に家の中に入ってきてTVの有無を確認しようとする集金人も居ます。
家の中までは入ってこなくても、「払わない」と言っているのに「払ってもらわないと困る」
などとしつこく玄関前に居座るケースが少なくありません。
勝手に家の中に入るのは不法侵入ですし、
「帰れ」と言っても玄関前に長時間居座るのは不退去罪に該当します。
警察に注意されても帰ろうとしない集金人は連行される可能性があるのです。
不法侵入や不退去罪の証拠となるように、
NHK受信料の集金人が来たらスマホで録画・録音しておくと良いですよ。
NHK受信料の集金人にはほとんど権限が無い
NHK受信料を取り立てに来る集金人には「受信料を受け取る」以外の権限は
ほとんどありません。
要するに「払ってください」と言ったことに対して「分かりました」と差し出されたお金を
受け取ることしか集金人にはできないのです。
NHK受信料を受け取る以上のことをするのは越権行為であり、
場合によっては違法行為となります。
「払わない」という人に対して「払ってもらわないと困る」としつこく支払いを催促することは越権行為です。
また「先月までの未払い分は良いから今月から払ってください」といった交渉を
することも集金人には認められていません。
認められていないどころか未払い分をチャラにするという交渉は違法行為となります。
放送法の第64条2項に「(前略)契約を締結した者から徴収する受信料を免除しては
ならない」と明記されています。
未払い分をチャラにすることは放送法に抵触する行為で、
集金人どころかNHK自体がやってはいけないことなのです。
許可なく家の中に入る、玄関前にしつこく居座る、ドアを強く叩く、
チャイムを鳴らし続けるなども当然NHKの集金人がやって良い行為ではありません。
多くの集金人は自分に権限が無いことを知っているので、
警察を呼ばれると逃げていきます。
ただ中には「自分にはNHKがついている」と勘違いしている集金人も居て、
こうした勘違いした集金人が警察を呼んだ結果連行されるのです。
「TVがあることは分かっている」は嘘
集金人がNHK受信料を取り立てに来て「TVがあることは分かっているから
払ってください」と言うことがあります。
場合によっては、持っている端末を見せて「ここにお宅の情報が全て入っている」などと
言ってくる集金人も居ます。
結論を言うと、受信料を払わせるために集金人が言うことの多くは「嘘」です。
まず「TVがあることは分かっている」ですが、
NHKは契約者から提供された情報以外には知る由がありません。
NHKの契約者はTVを持っている可能性が高いものの、
契約後にTVを捨てていることも十分に考えられます。
通常はTVを捨てたことを証明してNHKを解約しますが、
中にはTVを捨てたことの報告も解約もせずに受信料を払わない契約者も居ます。
契約した時点ではTVを持っていても、集金人が取り立てに来た時点で
TVを持っているかどうかはNHKには分かるはずがないのです。
集金人が持っている端末には契約者情報が入っていますが、
当然契約時に契約者が提供した情報だけです。
NHKは公共放送とは言え国や自治体から直接情報が得られるわけではないので、
契約者から提供された情報以外を入手する術はありません。
またNHKが契約者から提供された情報をNHKの受信契約に関わること以外に利用することも認められていません。
万が一NHKが受信料を支払わせるために契約者の情報を漏えいさせる
といったことがあると、NHKは刑事責任を問われる恐れがあります。
要するにNHKはこちらが提供した以上の情報は持っていない、
持っている情報を意図的に漏えいさせることは無いということです。
集金人がNHKが持っている個人情報を人質に受信料支払いを迫ることは
刑事責任の対象となりうるので警察に通報して対処してもらいましょう。
「受信料支払いは義務」も正しいとは言えない
集金人が受信料を取り立てる際に「受信料を支払うことは契約者の義務」といった
常套句を使います。
この「受信料支払いは義務」については議論があるものの、
厳密に言うと義務とは言えません。
NHKとの受信契約については放送法で定められた義務であり、TVなどの放送電波を
受信できる機器を持っているとNHKと受信契約を結ぶ必要があります。
ただ受信料の支払いについては放送法に規定は無く、
単に利用規約でNHKが定めているだけです。
契約が義務で契約元の規約に料金支払に関する規定があるので、
NHK受信料の支払いは実質的には義務と言えます。
しかし明確に法律で規定された義務ではありませんから、「受信料支払いは義務」
と言って受信料を取り立てるのは正しい方法とは言えないのです。
受信料の集金人はNHK職員ではない
NHKの受信契約や受信料支払いで1つ覚えておくと良いのが
「受信料を取り立てに来る集金人はNHK職員ではない」ということです。
NHKは1万人以上の職員を抱える巨大な組織ですが、
全ての未払い世帯に集金に行かせるほどの人的余裕はありません。
地域ごとに外部委託しており、
委託された業者がNHKに代わって受信料を集金しているのです。
NHKは当然ですが全ての委託業者を把握していて、
どの業者の誰がいつどの契約者を訪問したかといったことまで把握しています。
もし集金人の越権行為や不法行為があった場合は、
警察に通報するとともにNHKのサポートセンターに連絡しておきましょう。
職員ならNHKの評判を落とさないために越権行為や不法行為はしないでしょうが、
委託業者はNHKの権威を笠に着て居丈高な言動を行うことがあります。
NHKも悪質な行為をする委託業者は切れば良いだけなので、
集金人の越権行為や不法行為が無くならないわけです。
NHK受信料を払わないことは可能?
TVなどNHKの放送電波が受信できる機器を持っている以上は、
NHKの受信料を払わないで済ませることはほぼ不可能です。
警察に通報することでしつこい集金人は追い返せますが、
NHKの契約や受信料支払いから逃げられるわけではありません。
集金人を追い返したところで日を改められるだけですし、
最終的には財産を差し押さえて強制的に受信料を徴収されてしまうのです。
警察を呼ぶなどして集金人を追い返すと、
集金人が訪ねてくる頻度は少なくなるものの二度と来なくなることはありません。
契約して受信料を支払うまでは何度でも集金には来ますし、
NHKに抗議したところで集金人が訪問してこなくなることも無いです。
最終的にはNHKから裁判を起こされて、未契約者は受信料の2倍相当の割増金を
請求され、未払い者は財産を差し押さえられて強制的に徴収されてしまうわけです。
未契約や未払いに関する裁判ではNHKに絶対勝てない
未契約や未払いを理由にNHKに裁判を起こされると、
どんなに優秀な弁護士を付けたとしても絶対に勝てません。
2017年の未契約者に対して受信料支払いを求めた裁判で最高裁は、未契約者に
NHKとの受信契約と受信料支払いをするように命じる判決を下しました。
TVなどの受信機を持っている以上はNHKと契約しなければならない、
契約した以上は受信料を払わなければならないと最高裁が認めたのです。
今後未契約や未払いに関する裁判では、この2017年の判例を元に判断されるため
未契約や未払いが認められることは絶対に無いわけです。
財産差し押さえまでの流れ
警察を呼ぶなどして集金人を追い返すとNHKから受信料支払いについての
「督促状」が送られてきます。
この督促状には法的効力は無いので、
無視したところで何かしらの不利益を被ることはありません。
督促状を無視し続けると、今後は裁判所を通じて「支払督促」が送られてきます。
支払督促には法的効力があり、意義申し立てをしないとNHK側の言い分を
100%認めることになって受信料を支払わざるをえなくなります。
意義を申し立てても裁判官から受信料を支払う方向での和解案が提示されるだけ
なので、いずれにしても受信料を支払うことになるのです。
支払督促に異議申し立てをせずに無視すると「仮執行宣言付き支払督促」が
送られてきます。
こちらに意義申し立てをせずに無視すると、
財産が差し押さえられて強制的に受信料を徴収されてしまいます。
意義申し立てをするとこちらの言い分を聞いたうえで受信料を支払う方向での
和解案が出されるだけなので、どちらにしても受信料を支払わなければなりません。
NHK受信料未払いに対する財産の差し押さえでは「預貯金」と「給与」が
差し押さえられる可能性が高いです。
預貯金口座のある金融機関に通知が行って、
預貯金残高から未払い分のNHK受信料が支払われます。
預貯金のみで足りない場合は、
勤務先に通知が行われて給与を差し押さえるのことになります。
給与全額を差し押さえられることはありませんが、
手取り分の4分の1が勤務先からNHKへ直接支払われるのです。
勤務先に通知されると上司や同僚にNHK受信料を払っていないことが
知られてしまいます。
NHK受信料を払っていないからと言って解雇されることはありませんし、
昇進や昇給が取り消しになるなどの業務上の不利益も被りません。
ただ勤務先での信用を大きく失うことになるため、
将来的には業務に支障が出る恐れがあります。
預貯金や給与が差し押さえられる可能性が高いだけで、不動産や車、貴金属などの
財産も差し押さえられる可能性もゼロではないです。
NHK受信料の支払いからは基本的に逃れられませんから、
財産を差し押さえられる前に素直に契約して支払うのが賢明ですね。
TV電波の受信機を持っていなくても集金人はやってくる
基本的にはNHKとの契約が義務となっているのは、
TVなどのNHK電波を受信できる機器を持っている場合だけです。
NHK電波を受信できる機器を1つとして持っていない場合には、
NHKと契約しなくても良いことになっています。
ただしNHK放送を受信できる機器を1つも持っていなくても、
NHKとの契約を迫る集金人の訪問を止めさせることはできません。
まずNHK電波を受信できる機器についてですが、
地上波対応のTVはもちろんワンセグ機能が付いたスマホ・携帯電話も該当します。
カーナビでもワンセグ機能が付いたものを持っているとNHKの放送電波が
受信できるので、NHKとの契約が義務となります。
TVもカーナビも持っていなくて、スマホもiPhoneなど海外メーカーの機種で
ワンセグ機能が付いていなければNHKと契約しなくて良いのです。
NHKと契約しなくて良いなら集金人が訪問してこなくなるかと言うと、
そんなことは絶対にありません。
ネット掲示板やSNSには、TVを買う可能性があることから現状では持っていなくても
集金人が定期的に訪問すると実際にNHK職員に言われたという意見がちらほら。
NHKはどうにかして全日本国民から少しでも多く受信料を徴収しようとしています。
契約や受信料支払いでNHKにしつこく粘着され続けるぐらいなら、
NHKが受信できる環境を整えて受信料を払う方が面倒が無いかもしれません。
まとめ
NHK受信料の支払いを求める集金人がしつこい場合には、
警察を呼ぶことで追い返すことができます。
ただし警察を呼ぶことはその場しのぎにしかならず、
契約や支払いを済ませるまで何度でも集金人が訪問してくることになります。
最終的には財産を差し押さえられる恐れもありますから、
TVなどの受信機を持っているなら素直に契約して受信料を支払うようにしましょう。