一戸建てや集合住宅で隣人からの騒音被害を受けた場合には、
自分が出て行くよりも騒音を発している隣人に出て行ってもらいたいところです。
しかし実際に出て行ってもらうことは難しく、
法律に触れない方法で隣人を追い出すことはできるのでしょうか?
隣人からの騒音被害を受けた場合の対策
騒音を発している隣人を法律に触れることなく追い出す方法としては、
賃貸住宅なら「管理会社に連絡する」ことが挙げられます。
追い出せるほどの効果が期待できるかは分かりませんが、隣人が物分かりの良い人で
あれば管理会社から注意してもらうことで騒音が収まる可能性があります。
管理会社に騒音被害を訴える際には、
・他の住人や過去に住んでいた人から騒音についての苦情が入っていないか
・騒音を発する住人に対して管理会社はどのような対応を取ったか
などを確認しておきましょう。
他の住人から管理会社に対して騒音に関する苦情が入っている場合は、
管理会社は既に何らかの対策を講じている可能性があります。
管理会社が講じた対策によって今後騒音が収まることも考えられるので、
とりあえずしばらくを様子をみてください。
管理会社が対策を施したにも関わらず騒音が収まらない場合は、
管理会社にどういった対策を施したのかを確認した上で次の段階へと移行しましょう。
持ち家なら自治会か自治体に相談する
管理会社が存在しない持ち家で騒音被害に遭った場合は、
自治会か自治体に相談しましょう。
隣人に騒音を発している自覚が無いかもしれないので、自治会長などから注意される
ことで近隣に迷惑をかけていることに気付いて騒音が収まる可能性があります。
ただ自治会にはそれほど強い権限はありませんし、その時点の自治会役員の
顔ぶれによっては大した対策を講じてくれないことも十分に考えられます。
自治体の対策に期待できない場合には、自治体の生活課に相談すると良いでしょう。
自治体から注意喚起してもらう方が事の重大性に気付きやすいですから、
自治会よりも効果が期待できます。
ただ先の管理会社への苦情でも自治会や自治体への相談でも、
隣人の騒音が収まる可能性はありますが追い出すところまで難しいです。
警察に通報する意思を示して相談する
管理会社や自治会、自治体に隣人の騒音について相談する際には、
十分な対応が取られないと警察に通報する意思を示しておくと良いです。
自治体はともかく管理会社や自治会は事態が大きくなることを避けたいので、
通報する意思を示すことでしっかりとした対応を取ってくれる可能性が高くなります。
ただ、しっかりした対応を取ってもらえたとしても十分な効果は期待できないかも
しれません。
それでも通報する意思を示さないよりは効果的な対策が期待できますから、
管理会社などに相談するときは必ず通報の意思を伝えておきましょう。
警察に通報する
管理会社や自治会、自治体に相談しても隣人の騒音が収まらない場合には、
警察に通報しましょう。
「騒音ぐらいで通報したら怒られそう」と思うかもしれませんが、
騒音は立派な迷惑行為ですから通報すれば警察が対応してくれます。
もし警察に通報するのが躊躇われるのであれば「♯9110」の警察相談ダイヤルに
電話してみてください。
警察相談ダイヤルに電話しても「110番してください」と言われるだけなのですが、
いきなり通報するよりワンクッション挟んだ方が気持ち的に楽かもしれません。
通報は最寄りの警察署に直接でも構いませんが、
騒音などの迷惑行為に対する通報は110番がベターです。
通報すると10分ほどで警察が現場に来て、付近で騒音の状況を確認した上で
騒音を発している住人に対して注意をしてくれます。
1回で効果がなければ何度も通報する
警察から注意されると、事の重大さに気付いて騒音などの迷惑行為を止めるのが
一般的です。
しかし管理会社や自治会から注意されても騒音が収まらない隣人は、
警察から1度注意されたぐらいでは効果が見られないことも十分に考えられます。
1回の通報で隣人の騒音が収まらない場合は、収まるまで何度でも通報しましょう。
1回目と同様に110番に通報して、以前にも通報して対応してもらったことを
伝えた上で騒音が収まっていないことを伝えるのです。
警察の対応は1回目とそれほど変わりませんが、
何度も警察に注意されることで隣人の意識が変わります。
騒音を発するのを止めたり、自主的に騒音対策を施したり、
場合によっては引っ越すといったこともあるかもしれません。
先の管理会社や自治会に相談する方法よりも警察に通報する方が、
合法的に隣人を追い出す方法としては適しています。
苦情代行に依頼する
管理会社や自治会に相談すると、騒音に対する苦情を申し出たのが自分だと
隣人に伝わってしまうことが無いとは言えません。
だからと言って警察に通報して事を荒立てたくないといった場合には
「苦情代行」を利用する方法もあります。
ネットで調べると、言いにくい苦情を本人に代わって伝えてくれる苦情代行サービスが
見つかります。
苦情代行なら誰が苦情を申し出ているかは隣人に分かりませんが、
確実に騒音に対する苦情が出ていることが隣人に伝わります。
警察に通報するほどの効果は期待できませんし、隣人を追い出すことも難しいです。
それでも自分が発する音が周辺の住人に迷惑をかけていることに
隣人が気付いてくれれば、騒音が収まる可能性があります。
苦情代行の費用は安くない
苦情代行の利用は隣人の騒音対策の1つではありますが、
費用が決して安くないのがネックです。
手紙など文書で苦情を伝える方法でも1万円程度、
直接隣人に苦情を伝える方法だと2~3万円ほどの費用がかかります。
苦情代行を利用したことで騒音が収まるなり隣人が引っ越すなりすれば良いですが、
効果が無ければお金が無駄になってしまいます。
隣人を追い出すおまじない
「隣人を追い出すおまじない」というものがネットで検索するといくつか出てきます。
どこまでの効果が期待できる分かりませんが、先の管理会社や自治会への相談、
警察への通報と併せて実行してみるのも良いかもしれません。
一番手っ取り早い方法は「家の中に榊を飾る」というものです。
榊は一般的に神棚にお供えする植物ですが、
榊は神様の依り代で悪縁を断ち切る力が宿っていると言われています。
騒音を発する隣人との縁が切れるすなわち隣人が近くに居なくなるということで、
迷惑行為をする隣人を追い出すおまじないとされるのです。
アメジストを玄関に飾る
アメジストにも榊と同様に悪縁を断ち切る効果があるので、
アメジストを玄関に飾ることが隣人を追い出すおまじないとなります。
アメジストは単に人との縁を切るのではなく、
悪縁は断ち切り良縁は繋ぐ効果が期待できます。
騒音を発する隣人だけを追い出して、
仲の良い他の住人との縁は保ってくれるのがアメジストなのです。
トイレットペーパーを流す
「トイレットペーパーに黒ペンで騒音を発する隣人の名前を書いてトイレに流す」という
おまじないもあります。
トイレットペーパー自体には榊やアメジストのような効果は無いのですが、
「塩まじない」が転じてトイレットペーパーを流すようになったとのことです。
塩まじないは「困ったことを無くすおまじない」で、
困りごとを書いた紙に塩ひとつまみを包んで燃やしたりトイレに流したりします。
トイレットペーパー以外だとトイレが詰まるので、
トイレに流す場合にはトイレットペーパーが使われることが多くなっています。
最初は塩ひとつまみを包んで流していたのが、塩の部分が省かれて
トイレットペーパーに困りごとを書いてトイレに流すというおまじないになったのです。
どこまで効果が期待できるか分かりませんが、
榊やアメジストを用意するより簡単ですぐに実行できるので試してみてください。
にんじんを食べる
騒音を発する隣人を追い出すおまじないで簡単にできるものとして
「にんじんを食べる」ものもあります。
市販のにんじんに先の尖ったもので騒音を発する隣人の名前を書き、
後は好きなようににんじんを調理して食べるだけ。
西洋でにんじんは馬の嫌うほど香りが強いとされており、
悪いものを寄せ付けない強い力があると信じられています。
そのにんじんに騒音を発する隣人の名前を書いて食べることで、騒音を発する隣人を
自分から遠ざけるつまり近所から追い出すことができるというわけです。
ただしにんじんの人の名前を書いて食べる方法は
縁結びや復縁のおまじないとしても使われることがあります。
やり方を間違えると追い出したい隣人との縁が深まってしまうかもしれないので
注意してください。
隣人を追い出すためにやってはいけないこと
騒音を発するのを止めさせたり、
追い出したいがために隣人に直接苦情を入れることは止めた方が良いです。
あまりにも騒音が酷い場合には文句の1つも直接言いたくなりますが、
直接苦情を入れると事態が悪い方向に向かってしまう恐れがあります。
実際に迷惑行為に対して直接苦情を言ったことで相手が逆上して、
苦情を言ってきた人に対して危害を加えるといったことが起こっています。
騒音がより酷くなるなど迷惑行為がエスカレートすると、
場合によっては身体的な被害を受ける恐れもあるのです。
隣人を追い出そうと直接苦情を入れたために、
反対に自分が引っ越さざるをえない状況になってしまうかもしれません。
こちらも騒音で応戦する
隣人から騒音被害を受けたからと言って、
こちらから隣人に対して騒音で応戦するといったこともしてはいけません。
騒音で応戦することで隣人に警察へ通報される恐れがありますし、
騒音を発する隣人以外の近隣住人に迷惑をかけることも考えられます。
警察に通報されるとこちらが迷惑をかける側になってしまい、
その後にいくら騒音被害を訴えても聞き入れてもらえなくなります。
追い出したい隣人以外の近隣住人に迷惑をかけると、
自分自身も追い出される対象として近隣住人に見られてしまうのです。
「目には目を」で迷惑行為をやり返すと、
隣人を追い出すどころから自分が不利になって出て行くことになってしまいます。
隣人宅の扉に苦情のビラを貼り付ける
騒音を発する隣人宅の扉に苦情のビラを貼り付けるのも良い方法とは言えないです。
ドラマや映画では住人を追い出すために、
近隣住人が家の扉に多数の苦情ビラを貼り付けているシーンがあります。
表から見える場所に苦情ビラを貼り付けることで、近隣住人以外にも
騒音被害の事実が知られるので隣人の羞恥心を煽る効果が期待できます。
人によっては辱めを受けたことで、
そこに居られなくなって引っ越すといったこともありえるのです。
ただし他人の家の扉に苦情ビラを勝手に貼り付けることは法律に触れる行為と
なっています。
苦情ビラを貼り付けるのは隣人を合法的に追い出す方法にはならないので、
絶対にやらないでください。
騒音被害に遭ったら証拠を取っておく
隣人から騒音被害を受けた場合には、管理会社や自治会、警察に相談する前に
騒音の証拠を取っておきましょう。
特に管理会社や自治会は、実際に騒音を発している証拠が無いと苦情を入れても
対応してくれない可能性があります。
騒音被害がどの程度のものかを証明するのに、
スマホやボイスレコーダーなどで隣人が発する騒音を録音しておくのです。
ちなみに環境省の告示によって
・昼間(6時から22時) 55デシベル以上
・夜間(22時から翌6時) 45デシベル以上
という騒音の基準が定められています。
隣人が発する音の大きさが上記のデシベル数を超えていれば騒音と認められるので、
管理会社や自治会にも対応してもらいやすくなります。
騒音を発する日時を記録する
騒音被害を訴えるのであれば、
録音とともに隣人が騒音を発する日時も記録しておくと良いでしょう。
特に警察に通報する際には隣人が騒音を発する日時を記録しておくと効果的です。
騒音を発していない時に警察に来られても効果は薄いですが、
騒音を発しているまさにその時に警察に来られると抑制効果が高くなります。
騒音を発している現場を抑えられることで、
少なくともしばらくは騒音が収まる可能性が高いのです。
もし1回の通報で収まらなくても、何度も警察に騒音を発している現場を
抑えられれば隣人は何かしらの騒音対策を講じざるをえません。
場合によっては引っ越すということになるかもしれませんから、
騒音の日時を記録しておくことは隣人を合法的に追い出す一助となります。
まとめ
騒音を発する隣人を合法的に追い出すことは簡単ではありません。
近隣住人にストレスを与える迷惑行為ではありますが、直接身体に危害を加えている
わけではないので騒音を発すること自体が法律に触れる行為とみなされにくいのです。
しかし警察などに繰り返し注意してもらうことで騒音が収まる、
もしくは隣人が引っ越すといったことに繋がる可能性は大いにあります。
直接苦情を入れると余計に事態が悪化することもあるので、騒音被害を受けた
場合にはまず管理会社や自治会に相談してから警察に通報しましょう。