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当て逃げがばれる日数は?警察はどこまで調べる?

一般的に「当て逃げはばれない」と言われることがありますが、
最近は当て逃げでも警察に検挙されるケースが増えてきています。

では当て逃げがばれる日数はどれぐらいか、
当て逃げで警察はどこまで調べるのかなどについて詳しく見ていきましょう。

当て逃げがばれる日数

当て逃げがばれる日数については公的な統計結果が無いので、
ハッキリとしたことは言えません。

早ければ当て逃げをした翌日、遅いと数か月後に警察が自宅を訪ねてきて
任意同行や逮捕となる恐れがあります。

一般的には当て逃げをしてから1か月以上経過すれば警察が訪ねてくることは
無いと言われます。

1か月以上経過しても警察が訪ねてこないということは、
 ・被害者が被害届を出していない
 ・被害届は出ているけど加害者や加害車両を特定する証拠が無い
といったことが考えられるのです。

被害届が出されなければ警察は事故が起こったことを知らないので、
当て逃げについて警察が捜査することはありません。

被害届が出ていても監視カメラやドライブレコーダーの映像が無く
目撃者も居ないとなると、警察がいくら捜査しても加害者の特定が難しいです。

そういった理由から1か月以上経っても警察が訪ねてこなければ当て逃げは
ばれないとされるわけです。

ただ実際には当て逃げから数か月後に警察が訪ねてきたケースもありますから、
1か月以上経過しても「逃げきれた」とは言い切れません。

当て逃げの時効

当て逃げの時効は刑事・民事ともに3年となっています。

刑事訴訟法の第250条2号に5年未満の懲役または禁錮、罰金に当たる罪の
公訴時効は3年と記載されています。

当て逃げは道路交通法の報告義務違反と危険防止措置義務違反に当たり、より重い
危険防止措置義務違反の刑罰は1年以下の懲役または10万円以下の罰金です。

5年未満の懲役または禁錮、罰金に当たる罪なので当て逃げの公訴時効は3年、
当て逃げから3年以上経過すれば刑事責任を問われることはありません。

ただし当て逃げをした時から3年ではなく、
被害者が当て逃げに気づいた時から3年です。

当て逃げ被害に1年も2年も気づかないことは無いですが、
当て逃げをしてからきっちり3年で時効を迎えるわけではないということです。

犯罪の被害者が加害者に対して損害賠償請求ができる期間は
民法の第724条でこちらも3年と定められています。

ただし民法の規定では「加害者を知ってから3年」となっているので、
当て逃げにおいては損害賠償請求の時効は無いと言っても良いぐらいです。

だからと言って何十年も経っても当て逃げの損害賠償請求ができるわけではなく、
同じ民法の第724条では20年経過で全ての請求権が消滅すると規定されています。

当て逃げでは警察が加害者を見つけない限りは被害者が加害者を知ることはないので、
実質的に当て逃げの民事上の時効は20年ということになります。

当て逃げの検挙率は上がっている?

かつては目撃者が居なければ当て逃げがばれることはほとんどありませんでしたが、
最近は当て逃げがばれる可能性が高くなっています。

当て逃げの検挙率は公表されていないのでハッキリしたことは言えないものの、
この数年で当て逃げの検挙率は上がっていると推察されるのです。

その根拠としては監視カメラとドライブレコーダーの普及が挙げられます。

商業施設の駐車場はもちろんコインパーキングや月極駐車場でも
監視カメラが設置されているのが当たり前となってきています。

さらにトラックやタクシーといった商用車にはドライブレコーダーが必ずと言ってほど
付いてますし、自家用車でもドライブレコーダーを付けているケースが増えているのです。

監視カメラやドライブレコーダーが目撃者代わりとなるので、
これまではばれにくかった当て逃げがばれるようになってきているわけです。

警察もそこは心得ていますから、当て逃げがあった現場だけでなく
周辺の施設に設置されている監視カメラの映像のチェックします。

さらに被害車両はもちろん当て逃げがあったと思われる時間帯に被害車両の周辺に
停まっていた車のドライブレコーダーの映像も確認します。

時間が経つと当て逃げの映像が残っていないこともありますが、警察の捜査が
迅速に行われると監視カメラなどの映像から当て逃げが発覚する可能性が高いです。

接触したことに気づいていなければ当て逃げにならない

他の車などに接触して通報せずにその場から立ち去ったとしても、
加害者が接触したことに気づいていないと当て逃げはなりません。

当て逃げは接触事故を起こしたことを認識しているのに警察に通報しない、
二次被害を防ぐ措置を講じないことが問題です。

接触事故を起こしたことを認識していなければ、通報する義務や危険防止措置を
講じる義務も負わせられないので当て逃げにはならないというわけです。

では当て逃げで警察が自宅に訪ねてきた時に「気づかなかった」と言えば
責任を問われないかと言うと、そういうわけではありません。

警察が捜査した結果「接触したことに気づかない可能性は低い」と判断されると、
本当に気づいていなかったとしても当て逃げと見なされてしまいます。

特に駐車場のような限られたスペース内では、
他の車や人に接触しないように気を付けて運転するのが通常です。

接触しないように気を付けて運転していて接触したことに気づかないことは考えにくい
ので、駐車場内での接触事故で逃げるとほぼ当て逃げと判断されてしまいます。

当て逃げにならなくても賠償責任はある

接触したことに気づかなくて当て逃げとならなくても、
接触したことで発生した損害に対する賠償責任は免れません。

当て逃げにならなければ懲役や罰金といった刑罰を受けることはありませんし、
違反点数が加算される行政処分も受けないです。

ただ車やガードレール、看板など接触事故で損害が生じた物の修理代や
買い替え費用は加害者が負担しなければいけません。

任意の自動車保険に加入していれば保険で支払われますが、
自動車保険を使うには警察が発行する事故証明書が必要です。

警察に通報せずに被害者から直接修理代や買い替え費用を請求されると
保険は使えません。

保険が使えないと保険会社が間に入って交渉するといったこともできないので、
接触事故が発覚したら必ず警察に通報してください。

車の傷を修理したら証拠隠滅と見なされることも

当て逃げをした場合、当て逃げをした方の車にも少なからず損傷があります。

当て逃げをした後に車の傷を修理すると「証拠隠滅を図った」と警察に見なされる
恐れがあるのです。

証拠を隠滅するということは当て逃げ自体を隠そうとしていると見なされて、
悪質な当て逃げ加害者として逮捕されることにもなりかねません。

接触事故を起こして自分の車に傷が付いたら、
まずは通報して車の傷を警察に確認してもらってから修理するようにしましょう。

何より逃げるのではなく接触事故を起こしたら警察に通報することが重要です。

物損事故は逃げても得はない

接触事故を起こして目撃者が居なければ逃げたくなるのは分かりますが、
物損事故は逃げなければほとんどお咎めはありません。

住居などの建造物に被害が出ていると刑事責任を問われますが、
他の車やガードレール、看板などへの接触だけなら刑事責任は問われないのです。

また違反点数が加算されることもありませんから、物損事故を起こしても通報して
きちんと対応すれば刑事・行政両方でお咎めを受けないというわけです。

物損事故によって生じた損害を賠償する責任はあるものの、
それも自動車保険で賄われるので金銭負担も生じません。

物損事故は事故でありながら事故ではないという扱いになっているため、
通報してきちんと対応することで何ら不利益を被ることは無いのです。

物損事故で逃げた場合の責任

物損事故を起こしてもきちんと対応すればお咎めはありませんが、
逃げると一気に罪が重くなります。

道路交通法によって、
物損・人身に関わらず事故の当事者には警察に報告する義務が課されています。

さらに事故現場で二次被害が発生しないように危険防止措置を講じる義務も
あるのです。

当て逃げの加害者は事故の当事者でありながら、
警察に報告する義務と危険防止措置を講じる義務の2つを果たしていません。

より重い危険防止措置義務違反の責任が問われて、
1年以下の懲役または10万円以下の罰金という刑罰を受ける恐れがあります。

懲役の場合はもちろん罰金でも前科がついてしまいます。

また行政処分として
 ・危険防止措置義務違反 5点
 ・安全運転義務違反 2点
の合計7点の違反点数が加算されるのです。

違反点数は累積6点以上で30日の免許停止ですから、
それまで無事故無違反であっても当て逃げをすると一発で免停です。

累積15点以上だと免許取り消し(1年間再取得不可)で、
その時点で累積8点以上の違反点数があると当て逃げで免許取り消しとなります。

通報すれば刑事・民事の責任は無しなのに、逃げると前科がつく上に少なくとも
免停になるわけですから物損事故を起こして逃げることに何の得も無いのです。

自動車保険の更新を断れる恐れも

たとえ当て逃げでも、
物損事故で生じた損害に対する補償は加入している自動車保険で賄われます。

ただ当て逃げで自動車保険を使うと、
翌年以降の保険更新を断られる恐れがあるのです。

当て逃げでなくても物損事故で自動車保険を使うと、
ノンフリート等級が3等級下がります。

ノンフリート等級が6等級以下まで下がると「保険支払いのリスクが高い運転手」と
保険会社に見なされて保険契約自体を断られる恐れがあります。

6等級以下まで下がらなくても「当て逃げをしたこと」で保険会社の心証が悪くなって
翌年の更新を断られることもあるのです。

保険会社は加入申請者の前歴を調べますから、当て逃げの前歴があると
全ての保険会社に自動車保険加入を断られてしまうことも考えられます。

自動車保険未加入で車に乗るのはリスクが高すぎますから、
当て逃げをすることで車に乗りにくくなってしまいます。

実はひき逃げだったかも

自分では単なる物損事故だと思っていても、
実は人身事故だったということも考えられます。

物損事故を起こして逃げた場合は当て逃げですが、
人身事故を起こして逃げるとひき逃げというより重い罪になってしまうのです。

誰も乗っていない車に接触したと思っていたら、
実は人が乗っていて接触の衝撃で怪我をしていたといったことも十分にありえます。

たとえ直接人に接触しなくても結果的に人に怪我を負わせた場合には人身事故となり、
逃げるとひき逃げとなってしまいます。

当て逃げは逃げ切れる可能性もありますが、
ひき逃げとなると逃げ切れる可能性はゼロに近いです。

法務省の犯罪白書によると2019年度のひき逃げの検挙率は60%以上で、
被害者が亡くなった場合はほぼ100%検挙されています。

外からは見えなくても小さいお子さんが乗っているかもしれませんし、
お年寄りが後部座席で横になっているかもしれません。

成人男性でも身構えていないとちょっとした衝撃で怪我をすることがありますから、
小さいお子さんやお年寄りはなおさら怪我をしやすいです。

「これぐらいなら人が乗っていたとしても怪我しないだろう」と思って逃げるところ、
乗っていた人が怪我をしていてひき逃げになってしまうことも考えられるのです。

ひき逃げは重罪

当て逃げも決して軽くはありませんが、ひき逃げは当て逃げとは比べ物にならないほど
罪が重いです。

刑事責任としては当て逃げと同じ
 ・警察への報告義務違反
 ・危険防止措置義務違反
に加えて「救護措置義務違反」が問われます。

要するに接触事故によって人が怪我をしているにも関わらず、
怪我している人を救護せずに逃げたことが問題となるわけです。

報告義務違反や危険防止措置義務違反よりも救護措置義務違反の方が重く、
10年以下の懲役または100万円以下の罰金といった刑罰を受けることになります。

さらに過失運転や危険運転によって接触事故を起こしたと見なされると、
 ・過失運転 7年以下の懲役、禁錮または100万円以下の罰金
 ・危険運転 15年以下の懲役
が救護措置義務違反の刑罰にプラスされるのです。

別途行政処分として35点の違反点数が加算されます。

違反点数累積15点以上で免許取り消しですから、その時点で無事故無違反で
前歴が無くてもひき逃げをすると一発で免許取り消しです。

また違反点数累積35点以上で欠格期間が3年となるため、
取り消し後3年間は免許の再取得ができません。

ひき逃げ以前に違反点数が一定以上加算されていたり前歴があると、
ひき逃げの35点加点で欠格期間が4年5年になる可能性もあります。

人身事故を起こした時点で通報していれば少なくとも
 ・報告義務違反
 ・危険防止措置義務違反
 ・救護措置義務違反
については責任を問われることはありません。

違反点数についても最大でも20点加算、最小だと2点加算で済むので
免許取り消しにならずに済む可能性もあるのです。

ひき逃げはばれる可能性が高いですから、接触事故を起こした際には
人身事故かもしれないと思って必ず通報するようにしてください。

まとめ

これまでは目撃者が居なければ当て逃げはばれない可能性が高いとされてきました。

しかし監視カメラとドライブレコーダーが普及した現在では、目撃者が居なくても
監視カメラとドライブレコーダーの映像が証拠となってばれる可能性が高いです。

実際に当て逃げ被害で通報があると警察は必ず周辺の監視カメラと
ドライブレコーダーの映像をチェックします。

逃げずに単なる物損事故で処理すれば刑事責任を問われることはありませんし、
違反点数が加算される行政処分を受けません。

事故を起こすことよりも逃げることの方が問題ですから、
たとえ軽微な事故であっても必ず警察に通報しましょう。

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